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論文読み: Chopper: Partitioning Models into 3D-Printable Parts (SIGGRAPH Asia'12)

論文 SIGGRAPH Asia 2012

始めに断っておきますが、この記事には誤った内容や解釈が含まれているかもしれませんので注意して下さい。

SIGGRAPH Asia 2012 の論文リストが公式ページに掲載されたようです。

さて、その中からまた気になったものを一つ読んでみます。

Linjie Luo, Ilya Baran, Szymon Rusinkiewicz, Wojciech Matusik
Chopper: Partitioning Models into 3D-Printable Parts
SIGGRAPH Asia 2012
著者のページ

概要

3D プリンタは近年非常に注目されている技術ですが、プリントできるモデルの大きさというのが大きな制約となっています。3D プリンタの許容範囲を超えるような大きなモデルをプリントするには、モデルを複数に分割して各々のパーツをプリントし、組み合わせるという方法をとることになります。
そこでこの論文では、Chopper と呼ばれる、モデルを自動で(またはユーザガイドによって)プリント・組み立て可能な部品群に分割するフレームワークを提案しています。

著者

著者らの所属は Disney Research Boston, Princeton University, Disney Research Zurich, MIT CSAIL となっています。
特に Wojciech Matusik はファブリケーションや実物体に関する研究で SIGGRAPH などにも多くの論文を発表している人です。

動画

著者のページからダウンロード可能です。

関連研究 (3D プリント)

3D プリンタに関する研究は近年の SIGGRAPH でも流行っているようです。以下のものが関連研究として挙げられていました。

変形特性を考慮した 3D プリント

B. Bickel, M. Bächer, M. A. Otaduy, H. R. Lee, H. Pfister, M. Gross, W. Matusik
Design and Fabrication of Materials with Desired Deformation Behavior
SIGGRAPH 2010
Project page
動画 (vimeo)

変形の特性(柔らかい、堅いなど)をリアルに再現したものをプリントするという研究です。3D プリンタのインクにあたる物質をうまく調合しながらプリントすることで、任意の堅さのモデルをプリントすることができます。

反射特性を考慮した 3D プリント

Milos Hasan, Martin Fuchs, Wojciech Matusik, Hanspeter Pfister, Szymon Rusinkiewicz
Physical Reproduction of Materials with Specified Subsurface Scattering
SIGGRAPH 2010
Project page

Subsurface scattering (SSS) と呼ばれる物質の反射特性を考慮してモデルをプリントするという研究です。最も反射特性を良く再現できるインクの調合具合を探索します。

上記の 3 つの研究に対し、今回の論文は純粋に形状だけに注目したものとなっています。

分割の基準

モデルを分割すると言っても適当に分割するわけではありません。以下のような基準に従って分割を行うようです。

Printability

各パーツがプリント可能な大きさである必要があります。

Assemblability

各パーツをあとで実際に組み立てることができる必要があります。

Efficiency

極端に小さいパーツが沢山生成されてしまっても効率が悪いので、パーツ数を小さくするようにします。

Connector feasibility

接続部分 (断面) が小さいと組み立てたときに様々な問題がありますので、それを避けるようにします。

Structural soundness

パーツが壊れやすいような形状にならないようにしたり、応力が集中する部分に接続部分を形成しないようにしたりします。

Aesthetics

接続部分が目立たないようにします。

分割の方法とアルゴリズム

分割はバイナリ空間分割によって BSP 木を生成することで表現しています。上記のような条件を良く満たすような最適な BSP 木を生成するために Beam Search を応用して探索をしています。

結果

実際に座れる椅子などを作って論文に載せています。かなり実用性が高そうです。