論文読み: Computational Design of Linkage-Based Characters (SIGGRAPH 2014)

4次元プリンタ

私が勝手に提唱している「4次元プリンタ」という概念があります。(ありふれたアイデアなので別の人が全く同じアイデアを全く同じ言葉で既に発表しているかもしれません。またもっと的確な言葉もあるでしょうが、分かりやすいのでこの言葉を使っています。)

3次元プリンタはもはや常識になりつつありますが、3次元形状を出力するのに加えて、時間軸方向の動きも出力することを4次元プリントと呼びたいと思います。3次元プリントでは3次元形状データをプリントするのに対し、4次元プリントでは3次元アニメーションをプリントすることになります。

3次元プリンタを使ってフィギュアを出力している人達がいるようですが、もしこの4次元プリンタが実現されれば、踊ったり動いたりするフィギュアが出力することができるようになるはずです。

さて、Computer Graphics 分野で最高峰の国際会議である SIGGRAPH では、まさにこの4次元プリンタの実現を目指すような研究が近年発表されつつあります。今回はその中の一つ(今年発表された研究)を簡単に紹介します。

今回の論文

Bernhard Thomaszewski, Stelian Coros, Damien Gauge, Vittorio Megaro, Eitan Grinspun, Markus Gross
Computational Design of Linkage-Based Characters
SIGGRAPH 2014
http://www.disneyresearch.com/project/linkage-based-characters/

概要

Linkage-Based Character をデザインする手法を提案しています。

Linkage-Based Character とは、剛体同士がいくつかの関節で繋がっているネットワーク (= mechanical linkages) を使って動きを表現できるようなキャラクタのことです。言葉では難しいので動画を参照して下さい。

デザインされた Linkage-Based Character は実際に3次元プリンタで出力して、動かすことができます(もちろん動力源は必要ですが、繋がっている部分に対しては一つの動力で全体を動かせます)。

デザインの方法

まず始めに、全ての関節に動力源が与えられているような状態を考えます。

The design process begins from a given, fully-actuated mechanical structure performing some desired periodic motion.

続いて、反復的に、一つの動力源の代わりに剛体をつなげる (rigid links) ことで動力が関節を伝播するようにするということをしていきます。

Our design tool enables the user to successively replace the joint motors with new rigid links that mechanically couple the motions of different parts of the mechanical assembly.