対数正規分布 (log-normal distribution) の可視化
0よりも大きい値しかとらない確率変数*1について、その事前分布を設定するときに、対数正規分布 (log-normal distribution) を用いることがある。
- Yuki Koyama, Issei Sato, Daisuke Sakamoto, and Takeo Igarashi. 2017. Sequential Line Search for Efficient Visual Design Optimization by Crowds. ACM Trans. Graph. 36, 4, pp.48:1--48:11 (2017). DOI: https://doi.org/10.1145/3072959.3073598
- Gaussian Processes — Pyro Tutorials 1.1.0 documentation
定義
対数正規分布とは、ある確率変数 について、その対数 の分布が正規分布に従うような分布のことである。以下の確率密度関数を持つ。
ただし、 である。
性質
以下の性質を持つ。
- meanは で表される。
- medianは で表される
- modeは で表される
直感的には、 が比較的小さいとき、mean、median、modeはいずれも に近くなり、これを中心とした左右対称に近い分布になっていると思われる。逆に を大きくしていくと、mean(つまり重心)は よりも大きい方にずれ、mode(つまり最大をとる値)は よりも小さい方にずれていく。
可視化
対数正規分布の形は少し想像が難しい。以下に可視化例を示す。
以下に可視化に用いたPythonコードを示す。
おまけ:対数正規分布の対数
MAP推定などの統計的推定では、計算上対象とする分布の対数を扱うことが多い。対数正規分布の対数をとったものは
となり、その微分は
となる。
*1:例えば分散 を確率変数とみなして統計的推定を行う場合など。